小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉・地域の食文化料理

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。
 ○ 酢素麺(兵庫県、播州地域)
 

この料理の由来・おはなし

 平安・鎌倉時代の「延喜式」「天延2年記」「小右記」「中右記」「江家次第」「長秋記」などの記録によると、宮中での饗宴には必ず素麺が出され、酒のあと酢素麺を食べる習わしがあったようです。酒でもてなした後、酢素麺を食べるのが最高の料理で、この方法が宮中から公家、寺院など上流社会に伝わり、江戸時代に入ると、庶民も酒の後、酢素麺を食べる習慣になりました。
 江戸時代中期になると、地元で造られる醤油を使ったつゆが一般化し、醤油のつゆと酢を適宜に使い分けていたようですが、酢素麺は当時高級料理とされていました。
  播州地域でも、昭和30年代頃までは酢をベースとしたつゆが主流で、醤油を使ったつゆは少なかったようです。現在では、醤油ベースのつゆ(めんつゆ)が主流になり、酢素麺はあまり食べなくなりました。






≪酢洗いそうめん≫ 材料 (4人分)

揖保乃糸
うなぎ蒲焼き
きゅうり

 ┌みりん
 │酢
A│砂糖
 │塩
 └水

2把
1/2尾
1本
1個
大さじ2
大さじ2
大さじ2
少々
大さじ4


作り方
(1) そうめんは少し固めにゆがき水で洗って、水気を切ります。
(2)

うなぎ蒲焼きは短冊に切ります

(3)

きゅうりは薄切りにして塩をし、しんなりさせ水で洗って水気を絞っておきます。

(4) 卵は塩少々入れて、薄焼き卵を作り、短冊に切ります。
(5) Aを合わせ、(1)(2)(3)(4)を和えます。

【 栄養価(一人当り )】

エネルギー 236kcal


 ○ 鯛そうめん(兵庫県、播州地域)
 

この料理の由来・おはなし

 江戸時代後期から戦前までは、鯛は高級魚で、一般家庭では婚礼などの祝い事の時以外、鯛料理をあまり口にしなかったようです。婚礼も現在のようにホテル、結婚式場では行わず、自宅で挙式するのが一般的でした。
 結婚の披露宴には、尾頭つきの焼き鯛がついて、宴が終わりごろ、どの家庭にでもある素麺をゆがいて客に出しました。その時、焼き鯛の身をほぐして素麺の上にのせ、醤油のつゆを掛けて出していたようで、これが鯛そうめんと呼ばれ、昭和30年代まで龍野地方の婚礼に出された高級の祝い膳でした。それが鯛を煮つけ、素麺にのせて出すようになりました。
 江戸時代後期から播州素麺は室津、網干、飾磨の各港から海路で、各地へ出荷されていました。素麺を買い付けに来た商人が、問屋の接待で鯛そうめんを食べ、あまりの美味しさに料理法を聞いて帰り、現地で鯛そうめんを食べるようになりました。長崎県壱岐地方、広島県、愛媛県に鯛そうめんの風習が残っているのも、播州素麺の取引のあった業者が広めたものと考えられます。



≪冬鯛そうめん鍋≫ 材料 (4人分)

揖保乃糸
鯛のあら
白ねぎ
青ねぎ
人参

【だしの材料】
和風だし
 ┌酒
 │みりん
A│濃口醤油
 │塩
 └水

4把
1尾分
3本
1束
4cm


8カップ
大さじ4
大さじ3
大さじ3
少々


作り方
(1) 鯛を沸騰した湯にさっとくぐらせ、表面が白くなったら氷水につけてから流水で(尾の方から頭に向って指先でこそげるように)洗ってうろこを取り除きます。
(2)

グリル又は焼き網で(1)の鯛を焼きます。

(3)

そうめんは固めにゆでます。

(4) 白ねぎと青ねぎは5cmの長さに切ります。人参は5o幅に切ってから梅型で抜きます。
(5) 鍋に和風だしを入れて煮立ったらAで味をととのえ、(2)の鯛を加え5〜6分煮ます。(4)の野菜と(3)のそうめんを加え煮ながらいただきます。

【 栄養価(一人当り )】

エネルギー 522kcal


 ○ 煮 麺(兵庫県、播州地域)
 

この料理の由来・おはなし

 宮廷料理で始まった煮麺(にゅうめん)
 室町時代後期に宮中へ出仕し、後柏原天皇に仕えた大納言・中御門宣胤卿は、宮廷での料理、式典などを「宣胤卿記(のぶたねきょうき)」という日記に残しました。その中の文亀二年(一五〇二)正月二十五日条に「宮中で開かれた歌会の後、天皇より入麺(にゅうめん)、酒を賜る」と、入麺で冬の寒さをしのぎました。当時は温かい入麺が最高のもてなしであったようです。
 後柏原、後奈良両天皇に仕え、権大納言となった山科言継卿は、大永七年(一五二七)から天正四年(一五七六)までの五十年間の記録を日記「言継卿記(ことつぎきょうき)」に残しており、この間、宮中では三百二十回、素麺料理を使っています。このうち入麺が百七回、冷麺が七十三回、残りはただ麺、素麺と記述しています。
  宮廷料理で始まった入麺も、やがて武家社会や民間に伝わりました。宮廷に仕える女官は素麺を「そろそろ」と言い、入麺を「熱きそろそろ」と表現しています。古い時代は温かい料理が少なく、入麺の代わりに麺を蒸し「蒸し麺」と言っていました。加賀百万石の前田家や京都・大徳寺も冬に「蒸し麺」で食べていたようです。いずれにしても、煮麺は古くからの高級料理でした。
 現在では「煮麺」が一般的な表現になっていますが、「入麺」も使用されています。



≪にゅうめん味噌仕立て≫ 材料 (4人分)

 揖保乃糸
 合わせ味噌
 ほうれん草
 人参
 大根
 和風だし

4把
40g
1束
1/2本
1/3本
500cc

 【作り方
(1) 和風だし500ccに適当な大きさに切った、人参・大根を煮込み、とろ火にして合わせ味噌を溶き入れ、味を調えます。
(2)

ほうれん草は、ゆがいて1cm位に切っておきます。

(3)

沸騰したお湯に、そうめんを約10秒(くぐらせる程度)ゆでます。

(4) (1)の和風だしに(3)のそうめんを入れ1〜2分程度煮込み、火を止めてからほうれん草を上から散らして出来上がりです。

【 栄養価(一人当り )】

エネルギー 244kcal