小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉・地域の食文化料理

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。
 ○ ほうちょう(大分県・大分市戸次)


この料理の由来・おはなし
 ほうちょうは、お盆や来客のときに作られていて、お客から大変に喜ばれていたごちそうのひとつです。見た感じは、まるで細めのおうどんですが、ひとすじひとすじ、ひたすら手で2m近くも伸ばして仕上げるため、手間のかかり方が違います。
 名前の由来は諸説ありますが、その昔、豊後のキリシタン大名・大友宗麟が、大好物の鮑の腸が食べたい、と言った際に、悪天候が続いて不漁になり(合戦中で、という説も有り)なかなか鮑が手に入らず、こまった家来が何か代用品を、と小麦をこねて、アワビの腸に見たてて差し出したら、宗麟がそれを喜んで食べたため、鮑腸と呼ばれるようになった。と、語り継がれているようです。
お盆には、お参りに来る親族を、庶民的なだんご汁より、ずっと手がかかり味も上品な、ほうちょうで、もてなしていたようです。

材料(4人分)


   水          
   小麦粉(地粉)
   塩
だし
 「 いりこ
 l 干ししいたけ
 だし昆布

 かつお節        
「 薄口しょうゆ   
みりん
 水

薬味
 小口切りねぎ
 かぼす
 おろししょうが
 ごま


400ml
300g
8g

12g
4g
4g

2g
大さじ4
小さじ2
 2リットル


少々
2/5個
少々
少々



大分特産かぼす、ねぎ、ごま、しょうが薬味の
香りが、食欲を誘います。


作り方
(1) 小麦粉に塩を溶いた水を加え、よく練って、生地を作る。(大分市戸次ほうちょう保存会では、市販の普通の小麦粉より2割ほど値段が高い、地元の製粉屋さんの小麦粉を使うという、こだわりがあるそう。)
(2)

出来た生地は、ぬれふきんで包んで20分ほどねかす。(これで「こし」がでる。)

(3)

生地をねかしている間に、だし汁を作る。水2リットルに、頭とお腹をはずしたイリコ、切りこみを入れた昆布、干しシイタケをたっぷり入れて、煮立てる。

(4) ねかし終わった生地は、同じ大きさの団子状にする。(ここまでは、だんご汁の作り方に似ている。)団子状になった生地を、菜箸の太さぐらいに伸ばす。伸ばしたものをお盆の上に並べる。その中で、再度20分ぐらいねかす。
(5) 昆布、シイタケ、イリコを取り除いた出汁にたっぷりの鰹節を入れ、もう一煮立ちさせこす。だし汁600mlに、薄口しょうゆとみりんを加えて、味を整える。
(6) ぐらぐら煮立ったゆで湯をたっぷり準備する。二度目のねかしを終えた生地を2m近くひたすら伸ばす。伸ばし終わったら、ゆでる。次々に伸ばされた麺を入れてゆでる。
(7) (5)のだし汁を器に入れ、薬味の小鉢と一緒に用意しておく。
(8) ゆであがった麺は一度冷水にとり、ぬめりをよくとり、1人分(170g)ずつに分けておく。
(9) 麺は、食べる前にさっと湯にくぐらせ、お湯を張って温めたどんぶりに入れる。

☆手がかかるので、ほうちょうを味わえるのは、現在では年に数回。大分市内で行われるイベントに出店していることがあります。みつけた際はぜひ、味わってみてください。



 ○ やせうま(大分県)


この料理の由来・おはなし

 『やせうま』は、お盆や「お大師さま」と呼ばれる、弘法大師のご正忌、3月21日に作られていたそうです。お大師さまの日は、道端や辻にある弘法大師さまの像を、床の間に移しておまつりし、家で近所の方を接待していたそうです。この時は、塩味のきな粉をまぶした「やせうま」を、普段より幅広くのばし、三筋ほどを一つに結んでおき、尋ねて来た方に配ったそうです。大人も子供も何人かで連れ立って、次から次へとお接待をもらいに村中を歩く、春の楽しい行事だったようです。
 お盆の時は8月14日に作って、仏壇に供えたようです。盆の『やせうま』は、黒砂糖を混ぜた甘いきな粉をまぶしたそうで、現在では砂糖を使った、甘い味が主流のようです。
おもしろい名前ですが、名の由来は、やせうまの「やせ」は「八瀬」であるといわれ、その語源は通常、次のように伝えられているようです。
  平安時代、都から藤原鶴清麿という幼い貴族が、豊後の国に下向し隠れ住んだ。鶴清麿の身の回りの世話をする女は、京都の八瀬出身だったらしく「八瀬(やせ)」と呼ばれた。八瀬は、おやつをせがまれると小麦粉をこね、長く伸ばして麺状にして茹で、これにきな粉をまぶしたものを作って、鶴清麿に食べさせた。鶴清麿はこの食べ物が欲しい時、「八瀬、うま」(「うま」は美味しい食べ物の幼児語)といい、「やせうま」の語源となった。と、言われています。

   

材料

小麦粉   
砂糖


きな粉

50g
5g
  ひとつまみ
40〜50ml
20g



市販品もあります。だご汁のだごのかわりに使われる事もあります。


作り方
(1) 小麦粉に、塩を混ぜた水を加え、耳たぶくらいの固さにこねる。
(2)

中指の大きさにちぎり、ぬれ布巾をかけて、20分くらいねかす。

(3)

(2)を、指の付け根で縦にスッスッと伸ばし、たっぷりの熱湯でゆで、ざるに上げる。

(4) きな粉と砂糖を合わせ、(3)にまぶす。

(九州製粉協同組合)